データ分析コーナーの使い方④

鮮度とS質の活性化バランスをどう取るか

(天皇賞週の前週回顧から抜粋。前回の菊花賞データ分析と一緒に読むと理解が深まります)



編:京都7Rの500倍ズバッと的中もすごかったですが、今週はやっぱり菊花賞ですよね。本命の9番人気レインボーラインが2着に激走して、馬連3点目、ずばり的中でした。さすがMの祭典菊花賞、荒れれば当てちゃいますよね(笑)。先週の秋華賞に続いて、2,3歳はやっぱり圧倒的に強かったですね。

今:荒れてくれればだけどね〜。

編:先週のヴィブロス本命は時間掛かったみたいですけど、レインボーラインはどうでした?

今:これは、秋華賞と違って新聞見てほぼ即決。特に時間は掛からなかったよ。

編:枠が希望と違って外寄りだったですし、内にカフジプリンス、シュベルミエールと、今井さんが好きそうな内枠向きで、鮮度の高い穴馬が入ったのでどうかと思いましたが?

今:本命にしたくなるよね。でも、カフジプリンス、シュベルミエールともに、ここ数戦スローばかりで、しかもずっと2200m以上の長距離。下級条件からの馬としては、ポイントになるS質の活性化問題でレインボーラインと比べちゃうとちょっと弱いかなぁ。シュベルミエールは滞在も気になった。ステイゴールド産駒の場合、環境に長くいすぎるとストレスで精神コントロールを失う恐れがあるからね。本当はミライヘノツバサにいきたかったけど、前が案外厳しい流れになるんじゃないかという読みと、本質的に力が足りないという可能性もあったからね、そこまではいけないし(笑)。それにしてもレインボーラインは人気なかったよ。NHKマイルCと札幌記念で3着しているのに。

編:マイル路線だった馬で、NHKマイルCで好走してダービーで凡走して、札幌記念で好走したから、距離不安からでは?

今:ワンポイントアドバイスで話したように距離は大丈夫だよ。ダービーで凡走したのは、単に流れが単調で集中力を活かせなかっただけだから。延長でもタフな流れにさえなれば集中できるから大丈夫。むしろ京都で短い距離だと加速したときにゴールの可能性も高いから長距離の方が良い。菊花賞はどちからというとダービーより皐月賞に近い、タフな流れのハードレースになりやすいから、集中できるだろう。とはいえ、ペースがガクンと落ちる年もあるからね。そうなると厳しいけど、持久力勝負に持ち込みたい馬が多かったから、そのそれほど高くはない可能性を恐れて9番人気を狙わないというのは、期待値的にも、勝負としても、ちょっと弱すぎる。

編:枠はどうでした?

今:そこが最大の問題だよね。緩い流れの外を回ったらさすがにきつい。ただペースアップすれば内が潰れやすいのも菊花賞の特徴だ。それでも例年以上に内が有利な馬場だったからいやだったけどね。これが外枠向きのディープインパクト産駒なら良いけど、もともとが内で馬体を併せて良い内枠向きの馬が外目だし。ただペースアップする可能性がそれなりに高いということと、長距離の11番枠ならどこかで内に潜り込める可能性もそれなりに高いからね。どっちかなら、なんとかなる計算だった。

編:結果、ずっと外を回っちゃいましたね。しかも上がり3ハロンの速い上がり勝負になっちゃいました。

今:普通じゃ、どこにもいない、明らかにステイゴールド産駒の惨敗パターンだったよね。というか、別にステイゴールド産駒じゃなくても、外目の枠で外回ったら、他のどの馬でも馬券圏内は無理な流れだよ、あれは。外枠で来たのは最後に内に入った豊だけだからね。しかも、人気2頭の、速い上がりの差し競馬向きのディープインパクト産駒に有利な流れだったわけだし。二重苦だったけど、思った以上にレインボーラインが強かったというか、他の馬が走らなかったというか、そんなレースだった。あの流れで大外回って来ちゃうんだから、普通じゃないよ。あともう一つ、気になっていたことがあったんだ。

編:なんでしょう?

今:ステイゴールド産駒ってこと。

編:え?相手強化向きのステイゴールド産駒に合うのでは?過去に2頭圧勝してますし。

今:その2頭はオルフェーヴルとゴールドシップだから(笑)。僕もS君とワンポイントアドバイスしてるときはちょっと気にはなりながらも、やっぱり合うだろうと考えてたけど、少し嫌な予感がしたから、過去のデータを調べてみたんだ。すると他のステイゴールド産駒は人気馬も含めて全部5着以下に破れていた。

編:ではあの2頭が強かっただけということですか?菊適性があるわけでもないと?

今:それともちょっとニュアンスは違うかな。この2頭が来たときは前半は後方でも4角で3番手以内に上がっていた。他の凡走したステイゴールド産駒はすべて直線勝負で途中で捲らなかった。これはS質の問題だよ。

編:というと?

今:菊花賞というのは、特に鮮度馬にとって、C要素も重要だけど、一番重要なのはS要素だ。ステイゴールドはC要素に特化されすぎてるからね。強引さ、S質を要求される菊花賞で遅れを取りやすい。それをカバーするには、強引に仕掛けて闘う意欲を促してあげたほうがよい。

編:それでワンポイントアドバイスのときに、強く促す騎手が良いって話だったんですね。

今:そのときはそういうデータがあることは知らなかったけど、なんとなくね、後方で折り合いに専念させちゃうという嫌な予感がしたのはあった。ただ、そのデータを見て、よりレインボーラインに確信を持てたよ。マイルを連続して使って、マイルGⅠも使って好位で競馬したからね。一番問題になるS質の欠如を、このマイルの連戦で補える。そしてもう一つ、気持ちを強く持たせたのが、アーリントンCの内容だ。外からずっと外を強引に回って、普通なら絶対に凡走する競馬で、諦めずに最後まで伸びて勝ったんだ。ロングスパートの適性が異常に高くないとあれは出来ない。なら、菊花賞は最適だ。過去の2頭のときと同じように捲れば楽勝まである。

編:だから「矯めすぎず」って解説だったんですね。でも、最後まで矯めちゃいましたよ。

今:がっかりだよね〜。それでも来ちゃったのは、この距離の適性、ステップがこの中ではあまりにも他と違って良すぎたということだ。彼の良さを消す騎乗で2着だからね。もちろんマークして併せ馬に持ち込んだディーマジェスティは余裕をもって差し切った。サトノダイヤモンドには得意の上がり勝負で先に抜けられて、マークできなかったから仕方ないけど、最後は焦ったよ。豊がキングカメハメハの適性を最大限に活かす内突き競馬を、緩い流れでイン有利の競馬で仕掛けてきたからね。まさか外枠からあそこにいるとは思わなかった。内を回った方が良い馬の外枠で距離も長いから外回って体力ロスするという考えだったけど、久しぶりにユタカマジックが炸裂しちゃうところだったよ。併せ馬になればアーリントンCみたいに勝てるけど、離れてたからね。写真判定は緊張した。あれで3着だったら、外回ったこと、捲らなかったことのダブルパンチで、しばらく呆然として動けなかったと思うよ(笑)。

編:ところで、新聞見たときに直感で分かったというのは、今の長い分析がだいたい読めていたということですか?

今:具体的なとこまでは分からないけど、馬柱を見て直感でね。マイルを使っていて、ダービーで負けて、札幌で激走。間隔開けてGⅠ、タフな菊花賞でステイゴールド産駒。枠は大外でない。そして他の馬の枠順と戦績。そういうのを俯瞰して見たとき、直感的に分かる。直感っていうのは、今までの経験則が瞬時に未来のイメージを紡ぎ出すものだから、頭の中で今言った過去の記憶を無意識に構築しているんだ。だから、直感は全体像を把握出来る。1頭1頭分析した予想では、全体像は見えにくいからね。だから僕は直感を大事にするんで、ワンポイントアドバイスのときもなるべく、言われた馬しか見ない。枠順も、騎手も知らない状態でね。そして予想の時は、ワンポイントアドバイスでした話やデータ分析でした話はなるべく思い出さないようにする。自分の話に整合性を持たせようと予想が不自然で窮屈になるリスクがあるから。全体でなく、無機質な1頭1頭の分析の方が先に出てはまずい。まぁ、その方法でも先週の秋華賞みたいに当たるときもあるけど、確率は下がるし、かなり難しい作業になる。ただ、直感で決めた後には、もう一度細かくここでS君としてるようなデータ分析をもう一度するよ。直感があってるかどうかね。この場合なら、まず本当にマイルばかりを使われていた馬がS質が活性化したからといって走れるレースなのか、長距離の菊花賞が。S質が強調され過ぎて、コントロールを失わないか。大丈夫だと思うけど、その辺の確認をデータと、あとこのケースならスローになったダービーと京都の萩Sね。このときの内容を精査する。長距離の緩急に対応出来るのか。あと最後に気になったのは、京都で2回とも連を外したときの内容ね。レースが京都らしく単調だったのが理由なら、菊花賞はそれよりハードに流れるから気にすることはない。しかし、物理的に京都の下りが合わない馬も多い。そうなると流れ云々じゃなくて危ない。そのあたりの最終チェックを京都の2レースのVTRで分析して、下りも大きな弊害にならないと判断して、最終的に予想が完成するってことになる。

編:なるほど〜。ところで日曜京都の7Rですが、ズバッと来ましたね〜。1位-3位-2位の順で入線ですから、馬単10060円の万馬券が2点目、3連複8650円は1点目、3連単の54300円の5万馬券も見事2点目的中でした。4着も4番手評価の馬ですから、4連複があっても1点目的中という得意のパターンで読み切ってましたね(笑)。

今:レース質が読めれば、荒れようがなんだろうが、当たるときは4着まで独占しやすいよ。まぁ、堅いときの方が読み切るのは難しいけど。

編:普通の人は◎△△とか○◎△とかで決まっても3連単的中!なんてことにしちゃいますが、今井さんの場合は本当に2,3点買いでズバリ当たっちゃうときは当たっちゃうから破壊力ありますよ。

今:点数広げて買っても良いけどね、3連単は。ただ結果としては当たるときはレース質が読めてるときだから、2点以内になりやすいってだけであって。ところで2着のマイネルラック、初ダートだったでしょう?

編:そうですね。芝からダートでした。

今:これがこの間したパドックの話ね。初ダートとか初芝とか、初距離の短縮は、最近はパドックにも時間割いてみてるから。適性のはっきりしない午前中のレースでは特にね。このレースは7Rだったけど。

編:ええ、初物の精度が上がってます。

今:それといつものように馬体重と馬場に注意してレースを選択だよ。このレースも本命がそれまで馬体が減ってたから「減りすぎ注意」で10キロ増えてきて、馬場も予報通り雨降らずに良馬場。菊花賞のレインボーラインも間隔開けてプラス2キロと、ピッタリ予想で書いた「理想体重」だった。そして前日の天気予報も当たってた。一にも二にも、馬体重と馬場が合っているレースで勝負、この基本原則を忘れないように。配当かなり付けば多少違っても勝負して悪くはないけど。基本、馬体重が違ったら額は少なめで。

編:パドックはどこを見れば良いのでしょう?

今:細かく見たらキリがないからね。あと、よく分からなかったら、前回の予想着順コメントを見れば良いよ。例えばレインボーラインの札幌記念後のコメントを見てみて。

編:えーっと、「馬体は増えていたが、覇気は案外。それでも出遅れず、馬群に入れられたのでしぶとさを活かす」でした。

今:そうだね。このときの状態は案外だったことが分かる。菊花賞のときは普通の状態だったからね。札幌記念より上積みは見込めるわけだ。残念ながら今度は馬群に入らなかったけど、まぁ出遅れなかっただけでも有り難かったよ。福永には前週のヴィブロスの成功体験があったからね。同じように乗ったわけだけど、さすがにそこまでGⅠは甘くないから。内回りじゃないわけだし。

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